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『ベルリン陥落』ルール解説(カード編)

前回はルールの概要を説明しましたが、今回はいくつかカードを紹介したいと思います。

カードは両軍それぞれ25枚用意されており、ゲーム開始時に5枚を手札にして、第2ターンからの毎ターン開始時に1枚ずつ追加されます。ゲームを通じて16枚のカードを使用でき、9枚はゲームで使われないわけです。

カードの効果は記されているとおりですが、その他に、効果を用いず2枚捨てることで、命令数を1増やす、または除去されたユニット1個を復活させることができます。地味な使い方に思えますが、どちらも結構効果的です。

さて、第1ターン=1日目が終わった時点の状況は次のとおりです。

北方のソ連軍部隊が拘束されてしまった!!(ターン・マーカーが動いていませんが、正しくは第2ターンです)

ソ連軍プレイヤーは前ターンの戦闘で#4ワシーリー・チュイコフを使ったので手札は4枚。第2ターン開始時に1枚引くので、再び5枚になります。その内訳は次のとおりです。

ソ連軍プレイヤーは手札を念頭に置いて作戦を立て、命令を出します。恐らくゾーン12に対して嫌がらせが行われるだろうから、エリアC, E, Fのうち2部隊に対して移動命令を出すことになります。しかし、手札にカード#1イリューシンがあり、これを使えばドイツ国防軍ユニット1個を除去できます(カード#20カチューシャも同じ威力を持ちますが、こちらは移動手番終了時にしか使用できません)。ということは、ドイツ軍が1ユニットで嫌がらせにやってきても、イリューシンの攻撃でそれを除去し、ゾーン12からの前進が可能になります!! そこで次のような命令を出すことにしました。

ドイツ軍の移動手番、予想どおりドイツ軍プレイヤーはゾーン6からゾーン12へ、嫌がらせ目的で1ユニットを前進させました。またゾーン17のユニットをゾーン9へ、ゾーン13のユニットをゾーン7へ後退させました。ドイツ軍移動手番終了時の状況は次のようになります。

整然と後退しているように見える……でしょう? ところが(ターン・マーカーが動いていませんが、正しくは第2ターンです)

ソ連軍プレイヤーは命令どおり移動を実行します。まず、手札からイリューシンを使って国防軍ユニット(ミュンヘベルク装甲擲弾兵連隊)を除去して命令を遂行します。移動後の状況は次のようになります。

あっさり南が抜かれるとは!! そして北に大部隊が拘束されてしまったドイツ軍の運命やいかに!?(ターン・マーカーが動いていませんが、正しくは第2ターンです)

さらにソ連軍プレイヤーはカード#23トラック輸送を使い、ゾーン17の部隊をゾーン10へ移動させます。東からもじわりと包囲の環を締め上げます。またカード#20カチューシャを使ってゾーン7の国防軍ユニットを除去しました。

戦闘フェイズ。両軍ともカードを出さないものとして例を続けましょう。ゾーン6ではソ連軍4戦力 vs ドイツ軍2戦力で戦力比が2倍のため、ドイツ軍ユニットは2個とも除去されます。この時、[ドイツ軍が失ったユニット-1]回10面体ダイスを振り、【0-3】の目が出れば(つまり40%の確率で)ソ連軍も1ユニットを失います。出た目は【0】、ドイツ軍の必死に抵抗によりソ連軍も出血しました。

ゾーン14はソ連軍の勝利。ゾーン15は6対4でドイツ軍の勝利。ゾーン16も5対4でドイツ軍の勝利です。第2ターン終了後の状況は次のようになります。

南と東からの圧迫!!(ターン・マーカーが動いていませんが、正しくは第2ターンです)

第1ターン終了時はちょっとした絶望を味わったソ連軍プレイヤーですが、一転、ベルリン中心部への道が見えてきました。が、油断はなりません。確かにドイツ軍は大兵力を北部で拘束されているものの、1ユニット残せば撤退することが可能です。それにソ連軍は1ターンに2ゾーン移動できる大事なカードを早々と使ってしまったので、ドイツ軍はその心配なく作戦を立てることができます。またソ連軍の前線戦力は11しかなく、後方の部隊(エリアEの部隊、及び第4ターンと第6ターンに登場する増援)を合流させなければ、北から戻ってきたドイツ軍部隊との戦闘で、早晩、打撃力を失ってしまうでしょう。

前回と今回の説明を読めばおおよその雰囲気とゲーム・システムは理解していただけたかと思います。え、ドイツ軍のカードも見たい? それでは少しだけ。

割とキラー・カード

今回の例でもしドイツ軍プレイヤーが#13対空射撃を持っていればイリューシンを撃墜し、ミュンヘベルク装甲擲弾兵連隊は所期の目的を達成し、ゾーン6の2ユニットも助かっていたのです!!

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