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対台湾特別軍事作戦202X

1.0 はじめに

『対台湾特別軍事作戦』は202x年に中国が台湾に「特別軍事作戦」の名目で侵攻し、これに米軍が対抗するシミュレーションです。2人用の対戦ゲームで、1人が米軍・自衛隊を、もう1人が中国軍を受け持ちます。

スケール: 艦船の駒には1隻の空母(ヘリコプター搭載型護衛艦)または駆逐艦のシルエットが記されていますが、実際にはそれらの艦を中心にした艦隊(打撃群)を表しています。航空機の駒は1-4個飛行中隊を表しています。1回のターンは作戦行動の内容に応じて数時間から数日間に相当します。最初の停戦交渉(ルール10.0)まで約1カ月間、2回目の停戦交渉までさらに1カ月間を表しています。

デザイナーズ・ノート: 台湾軍並びに台湾に上陸した中国軍とそれを支援する空軍力はゲームでは扱いません(ゲームに与える影響はイベントで表されます)。中国軍の上陸を許した場合、地上戦では台湾軍の不利は否めず、台北や新竹を含む西半分を占領される可能性があると考えられます。首都の一時的な移転を含め、台湾は東部で抵抗を続けるでしょうが、その抵抗をいつまで続けられるか、あるいは反撃に転じられるかは西側の支援にかかっています。このうち軍事的支援をどれだけ有効に行えるのかをゲームで競うことになります。なお、ゲーム開始時に自衛隊は作戦を行えませんが、これは先島諸島の住民避難にリソースが割かれている状況を表しています。

2.0 コンポーネント

  • トランプ1セット(ジョーカー2枚)と6面体ダイス複数個を用意してください。
  • ユニット(駒)は艦隊と航空隊の2タイプに分類されます。左側の数字は戦闘力、右側の数字は世代(G)です。全てのユニットは第4世代(4G)または第5世代(5G)のいずれかですが、イベントに登場する一部の兵器は第6世代(6G)に分類されます(「6G」は現実の呼称ではありません。ゲーム上の処理で必要になるため、便宜上「6G」と表記しています)。ガイドに沿って切り出すか、コピーして適宜加工したものをお使いください。
  • 各ユニットには2-4個のスート(♥♦♠♣)が記されています。
  • この他に、先島諸島が中国に支配された時に使用する「中国支配」マーカーと、主導権が中国側、台湾側のどちらにあるのかを示す「主導権」マーカーがあります。

3.0 ゲームの準備

カード・デッキの準備:

  • ジョーカーを抜いた52枚をシャッフルして12枚を取り除きます。この12枚を同盟国支援デッキと呼びます。両プレイヤーともこの時点では同盟国支援デッキの内容を見てはいけません。
  • 残り40枚から10枚ずつを両プレイヤーに配ります。この10枚を最初の手札とします。
  • 残り20枚を10枚ずつに分け、それぞれジョーカーを1枚ずつ入れてシャッフルします。どちらかの11枚を上、残りの11枚を下にしてデッキにします。

ユニットの配置:

  • 中国軍艦隊ユニットを台湾海峡または中国本土に配置します。航空隊ユニット8個全てを中国本土に配置します。
  • 米軍艦隊ユニット3個をアメリカインド太平洋軍ボックスに置きます。航空隊ユニット6個はアメリカインド太平洋軍ボックスまたは先島諸島ゾーンに配置します。先島諸島ゾーンには1個だけ配置可能です。
  • ゲーム開始の時点では自衛隊ユニットは使用できません。マップ外に置きます。

マーカーの配置:

  • 主導権マーカーを「PRC +1」に置きます。
  • 中国支配マーカーはマップ外に置きます。中国軍が先島諸島を支配した時に先島諸島ゾーンに置きます。

4.0 勝利条件

このゲームは中国が台湾に上陸した直後から始まります。2回目の停戦交渉が行われた時点で台湾・中国のどちらが主導権を得ているかでゲーム上の勝利を判定します。ゲームが終了した時点でPRC(中国)が+1以上の主導権を得ていれば中国軍、ROC(台湾)が+1以上の主導権を得ていれば米軍プレイヤーが勝利します。

デザイナーズ・ノート: 一度上陸を許してしまうと、台湾軍が中国軍を撃退することは困難と考えられます。一方の中国も補給上の問題があり、台湾を容易には占領できないでしょう。主導権は停戦交渉をどれだけ自国にとって有利に進められるか、を示す指標です。最大値(+3)で2回目の停戦交渉を迎えられれば、好ましい結果──中国の場合は台湾の完全支配、台湾の場合は上陸した中国軍の撃退──を得られるでしょう。

5.0 プレイの手順

このゲームは「ゲーム・ターン」を繰り返すことで進行します。1回のゲーム・ターン中に次のことを順番に行います。

  • 両プレイヤーは手札の中から使用する1枚を決め、同時に公開します。
  • 両プレイヤーが出したのが数字札の場合、数字が少ないプレイヤーが先に作戦(6.0)を行い、その後で数字が多いプレイヤーが作戦を行います。同数なら今の時点で主導権を得ているプレイヤーがプレイの順番を決めます。
  • 1人が数字札、もう1人がエースを含む絵札を使用した場合、絵札を出したプレイヤーが作戦(6.0)またはイベント(9.0)を実行し、その後で数字札を出したプレイヤーが作戦を行います。
  • 両プレイヤーがエースを含む絵札を使用した場合、主導権を得ているプレイヤーがプレイの順番を決め、1人ずつその順番で作戦(6.0)またはイベント(9.0)を実行します。
  • 各プレイヤーは自分が作戦を終えた後で海域に残っている自軍航空隊ユニットを自軍基地に帰還させられます。帰還は任意であり、海域に残しても構いません。また、自分の手番で作戦を行ったわけではない、海域に残っている自軍航空隊ユニットも帰還できます。帰還先の基地は以下のとおりです。
    • 中国軍: 中国本土(中国軍が支配しても先島諸島ゾーンには帰還できません)
    • 米軍: インド太平洋軍ボックスまたは中国軍に支配されていない先島諸島ゾーン
    • 自衛隊: 自衛隊ボックスまたは中国軍に支配されていない先島諸島ゾーン
    • 注意: 先島諸島ゾーンには自衛隊か米軍の航空隊ユニット1個しか置けません。既に航空隊ユニットがいる先島諸島ゾーンに別の航空隊ユニットを帰還させる場合、前者をインド太平洋軍ボックス(米軍機の場合)または自衛隊ボックス(自衛隊機の場合)へ直ちに移動させ、後者を先島諸島ゾーンに置きます(つまり、必要に応じて航空隊ユニットの入れ替えが可能です)。
  • 以上で1回のゲーム・ターンが終了します。この時点で手札が4枚以下になっているプレイヤーはデッキからカードを1枚引きます。この時、ジョーカーが引かれると、直ちにそれを公開して停戦交渉(10.0)を行います。

ゲームは停戦交渉が2回行われると終了します。その時点で+1以上の主導権を持っているプレイヤーがゲームに勝利します。

6.0 作戦

作戦は「移動」か「攻撃」のどちらかです。ただし敵ユニットがいる海域に「移動」を行った場合、移動したユニットが直後に「攻撃」を行えます。この「攻撃」は別の作戦とは見なさず、「移動」の一環として行います。

  • 数字札または絵札で作戦を行う時、そのカードのスート(ハート/ダイヤ/クラブ/スペード)が記されている航空隊ユニット、または艦隊ユニットのいずれかを「活性化」できます。活性化したユニットを作戦を1回行えます。航空隊ユニットと艦隊ユニットを同時に活性化することはできません。
    • 活性化は強制ではありません。自分の手番に何もしなくても構いません。その場合でも出したカードは捨てなければなりません。
  • 1回の手番で活性化できるのは1つの「場所」にいる1個以上の航空隊または艦隊ユニットだけです。場所とは、以下のいずれか1つになります。
    • 海域のいずれか1つ
    • 先島諸島ゾーン
    • 中国本土
    • インド太平洋軍ボックス
    • 自衛隊ボックス
    • マップ外(自衛隊を保管している場所)
  • 同時に活性化するユニットの合計戦闘力は、活性化に使用した数字札の数字以内にしなければなりません。例えば「ハートの5」を使用した場合、同時に2個の航空ユニット(戦闘力2)を活性化できます。戦闘力3の米艦隊ユニットなら1個だけ活性化できます。絵札で活性化する場合、ダイスを2個振って出た目の合計を数字として用います。
  • 自衛隊の特別ルール: ゲーム開始時、自衛隊は活性化できません。また自衛隊が活性化可能になるまで先島諸島イベントは使用できません。以下いずれかの事態が発生すると、以後、米軍プレイヤーは自衛隊ユニットを活性化できます。全ての自衛隊ユニットを直ちに自衛隊ボックスに置きます。
    • 中国軍が先島諸島ゾーンを支配した。または
    • 米軍がイベント「全自衛隊防衛出動」を発動させた。

7.0 移動

活性化したユニットを移動させる場合、以下のルールに従います。

  • 艦隊は今いる場所から隣接する場所へ移動できます。敵がいる場所へも移動できます。
    • 中国本土と台湾海峡は隣接しています。
    • 自衛隊ボックスと黄海、インド太平洋軍ボックスと東シナ海は隣接しています。
    • 境界線で接している海域同士は隣接しています。
    • 先島諸島ゾーンには両軍の艦隊、中国軍航空ユニットは進入できません。
    • 中国の艦隊は自衛隊ボックス、インド太平洋軍ボックスに進入できません。米軍・自衛隊の艦隊は中国本土に進入できません。また両軍ともマップ内の艦隊をマップ外へ移動させられません。
  • 航空隊は今いる場所から任意の海域に配置できます。敵がいる海域にも配置できます。
  • 移動した海域に敵ユニットがいれば直ちに攻撃を行わなければなりません(8.0)。

8.0 攻撃

(1)敵と同じ海域にいるユニットを活性化して攻撃を行う、または(2)活性化したユニットが敵がいる海域に進入する、のいずれかによって戦闘が発生します。

  • 活性化中のユニットだけが同じ海域にいる敵ユニットを攻撃できます。
    • 例外: 先島諸島ゾーンは黄海と東シナ海の両方に含まれているものとします。黄海または東シナ海で戦闘が発生した時、先島諸島ゾーンに置かれている航空ユニットは任意でその戦闘に参加できます(米軍・自衛隊プレイヤーの任意で参加させなくても構いません)。逆に黄海または東シナ海にいる中国軍ユニットが活性化したら、移動することなしに先島諸島ゾーン内の米軍・自衛隊航空ユニットを攻撃できます(中国軍プレイヤーの任意で攻撃しなくても構いません)。
  • 敵ユニットに艦隊と航空隊両方がある場合、そのうちどちらか1つを目標にします。攻撃を行うユニットと同じタイプ(航空または艦隊ユニット)がいれば、それを目標にしなければなりません。目標にならなかった敵ユニットは、攻撃による影響を一切受けません。
    • 目標にしたタイプに複数の敵ユニットがいた場合、その全てと交戦することになります。一部だけを目標にすることはできません。
  • 攻撃は以下の手順で解決します。
    • 両軍の第5世代ユニット(以下5Gユニット)が射撃します。この射撃は同時に行われたものとして、結果は同時に適用します。
    • 5Gユニットの射撃結果を適用した後で、両軍の4Gユニットが射撃します。この射撃は同時に行われたものとして、結果は同時に適用します。
    • 戦闘に参加した両軍の全ての航空ユニットは基地(中国軍は中国本土、米軍・自衛隊はそれぞれのボックス)へ帰還します。米軍・自衛隊航空ユニットの1個は先島諸島ゾーンに帰還できます。
  • 射撃の解決: 1戦闘力につきダイスを1個振り、【6】の目が出れば敵に1ヒットを与えます。
    • 射撃ユニットのGが敵のGより1上回っているごとに、ダイス目に+2します。
    • 射撃ユニットのGが敵のGより下回っている場合、ダイス目に修整はありませんが、ヒット数が半分になります(端数切り捨て)。
    • 敵に異なるGのユニットが存在する場合、より高い値を敵のGとして射撃を解決します。例えば両軍に5Gと4Gの航空ユニットがいる場合、5G航空ユニットが射撃する場合はダイス目修整なし、4G航空ユニットが射撃する場合はヒット数が半減します。
  • ヒットの適用: 1ヒットにつきユニット1個がゲームから取り除かれます。どのユニットを取り除くかはヒットを受けたプレイヤーが決めます。注意: 射撃する際、目標ユニットを決めるわけではありません。航空ユニット/艦隊ユニットのどちらかのタイプを目標として選ぶだけです。ヒットを受けた側は、自軍に5Gと4Gの両方のユニットがいれば、そのどちらに損害を適用するのか自由に決められます。
    • 例外: 艦隊ユニットを取り除く場合、そのユニットの戦闘力と同数までのヒットを消化します。
  • 先島諸島奪還作戦: 先島諸島ゾーンが中国軍に支配されている時、黄海にいる自衛隊艦隊は先島諸島奪還作戦を行えます(米軍の艦隊では奪還作戦を行えません)。これは1回の攻撃と見なし、戦闘力の数だけダイスを振ります。【6】が出れば奪還作戦は成功し、主導権1を取り戻します。また以後、先島諸島イベントが使用可能となり、米軍・自衛隊航空ユニット1個が先島諸島ゾーンに配置可能になります。
    • 補足: 自分の手番開始時に黄海にいる自衛隊艦隊のみ先島諸島奪還作戦を行えます。奪還作戦は失敗しても、成功するまで挑戦できます。また同じ海域に中国艦隊にいる時は、奪還作戦を行えません。

9.0 イベント

中国軍の特別作戦

  • 先島諸島上陸: 黄海または東シナ海に中国艦隊がいれば先島諸島を占領できます。中国側に主導権+1。この時、先島諸島ゾーンに米軍・自衛隊の航空ユニットがあれば、直ちにそれをインド太平洋軍ボックス(米軍の場合)または自衛隊ボックス(自衛隊の場合)へ移動させます。この移動による罰則はありません。米軍・自衛隊は奪還するまで先島諸島及び先島諸島イベントを使用できません。
    • 重要: 中国艦隊と同じ海域に米軍・自衛隊の艦隊がいる時は、このイベントは使用できません。またこのイベントはゲーム中に1回だけ使用できます(自衛隊が奪還した先島諸島に対して、再度上陸できません。特殊部隊の予備が払底しているため、そして自衛隊側の警戒が厳しくなっているためです)。
  • 潜水艦攻撃: 台湾海峡以外の海域にいる敵艦隊を[2-4G]で攻撃します。
  • 東風-21: 海域にいる米軍・自衛隊艦隊を[1-6G]で攻撃します。※印刷物の[2-6G]は誤りです(使用してはいけない弾頭を搭載した場合のレーティングです)。
  • 空挺作戦・空中突撃: ダイスを1個振って5-6が出れば中国側に主導権+1。
  • 自爆ドローン攻撃: このカードは「リアクション」で使用します。米軍・自衛隊プレイヤーが使用した「台湾イベント」を無効にします。
  • ハイブリッド戦争: 同盟国支援デッキを見て1枚までのカードを手札と交換します。

米軍・自衛隊の特別作戦

  • 全自衛隊防衛出動: 集団的自衛権が発動し、以後、自衛隊ユニットが作戦可能になります。マップ外に置いていた全ての自衛隊ユニットを自衛隊ボックス内に置きます。
  • 12式地対艦誘導弾【先島諸島イベント】: 海域にいる中国艦隊を[2-5G]で攻撃します。
  • 潜水艦攻撃: 台湾海峡以外の海域にいる中国艦隊を[3-4G]で攻撃します。
  • 雄風II型【台湾イベント】: 台湾海峡にいる中国艦隊を[2-5G]で攻撃します。
  • 台湾空軍の出撃【台湾】: 台湾海峡にいる中国軍艦隊または航空隊を[4-4G]で攻撃します。
  • 水中ドローン攻撃: 台湾海峡にいる中国艦隊を[4-5G]で攻撃する。
  • ハイブリッド戦争: 同盟国支援デッキを見て3枚までのカードを手札と交換する。

10.0 停戦交渉

ターン終了時に手札が4枚以下(5枚未満)のプレイヤーはデッキからカードを1枚引きます。引いたカードがジョーカーの場合は停戦交渉を行い、その後、次のターンを開始します。ジョーカーを引いても代わりのカードを引くことはできません。

  • 停戦交渉が始まった時点で、プレイヤーは自軍の艦隊ユニットだけが存在する海域を支配します。両軍の艦隊ユニットが存在する海域は両軍とも支配できません。また航空隊ユニットでは海域を支配できず、敵航空隊ユニットの存在が自軍艦隊ユニットによる海域支配を妨げることもありません。
    • 先島諸島ゾーンの特別ルール: 米軍・自衛隊の航空ユニットが先島諸島ゾーンにいれば、米軍・自衛隊が黄海と東シナ海を支配します。ただしこの航空ユニットにより中国艦隊による同海域の支配を妨げることはできません。
  • 黄海・東シナ海・南シナ海を支配すれば各1点を得ます。台湾海峡を支配すれば2点を得ます。両軍の点数を比較し、点数の多いプレイヤーの側へ、点差の分だけ主導権マーカーを動かします。「+3」を超える時はそのままにします。
    • 主導権トラックに「0」はありません。例えば中国軍+1の状態で米軍・自衛隊の得点が中国軍の得点より1多ければ、米軍・自衛隊+1になります。
  • 1回目の停戦交渉が終わったら、直ちに次のターンを開始します。2回目の停戦交渉が終わったらゲームは終了し、その時点で主導権を得ているプレイヤーがゲームの勝者になります。
  • 極めて稀ですが、同時に2枚のジョーカーが引かれる可能性があります。その場合は2回連続で停戦交渉を行って勝者を決めます。