『フォークランド紛争』は7月発売予定です。

第57装甲軍団が死闘を演じた翌日、やはり大阪某所にて『フォークランド紛争』のテストプレイが行われました。こちらはゲームとしては完成しているので、ルールブックとコンポーネントのチェックが主目的となります。

本作は4月25日からポート・スタンリー奪還までを扱うソリティア・ゲームで、プレイヤーはイギリス軍を率いることになります。数多のフォークランド紛争ゲームが、対戦ゲームとして成立させるために様々な無理をしてシミュレーションとして破綻しているので、最初からソリティア・ゲームにしたのだと、デザイナーズ・ノートに記されています。それはそのとおりだと思いますが、このアルゼンチン軍、なかなか手強いぞ。

日本語版では、ルールブック内に掲載されたチャートもマップに含まれていて、格段にプレイしやすくなっています

ソリティア・ウォーゲームの魅力は、

  1. 歴史・戦史の流れを盤上で掴めること
  2. 歴史上の、また戦いにおける転回点を具体的・客観的に捉えられること。またそこでプレイヤーが自身の決断を下せること
  3. ゲームを振り返った時に、ゲームによって与えられた(=史実においてそうだった)以外のポイント・オブ・ノー・リターンが認識でき、その時に下した自分の判断をレビューできること

であると考えています。最初の2つを達成するのはそんなに難しくありませんが、3つ目の実現が大変で、デザイナーのセンスであったり、テストプレイの積み重ねが求められます。この点、ベン・マディソン氏は本作並びに『ナポレオン戦争ソリティア』で並々ならぬ手腕を発揮しています。「あの時の小戦争でリソースを惜しんだためにナポレオンにとどめを刺せなかった」「リソースを惜しまざるを得なかったのは、外交に資金を使いすぎたせいで……」「そもそもプロイセンが降伏さえしなければ……」と、ナラティブに因果を語っていけるのが楽しく、リプレイアビリティを高めています。

今回のテストではイギリス軍が史実より早くポート・スタンリーを奪還できたのですが(大勝利!!)、史実ではエグゾセで撃沈された〈アトランティック・コンベアー〉が幸運にも生き延びてチヌークが無事だったことが大きく、その要因となったのが任務部隊が行った戦闘でエグゾセを浪費させたことで(その代わり、フリゲートや駆逐艦が犠牲になった)、そして任務部隊が積極的に行動できたのは悪天候が続いてレーダーを積んでいないアルゼンチン軍のスカイホークが序盤、ほとんど活動できなかったこと、などがあげられます。実際にはもっと多くの要素(フランスがシュペルエタンダールをアルゼンチンに渡さなかったり、アメリカが概ね支持してくれたり)が絡んでいるのですが、「読み解き」の楽しみを奪うのはやめておきましょう。実際に試してみてください。

ひとつひとつのルールは簡単ですが、それらが有機的に結びつくことで予想外の結果につながるタイプのゲーム……ですのでルールの解釈に疑問が生じることもあり、BGGでも多数の質問が寄せられています。もちろん日本語版ではフォーラムにあげられている明確化も行っております。

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