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ウォーゲームで振り返る昭和100年・終戦80年

5. 血戦!!連合艦隊

BANZAIマガジン第12号の付録として発表された『太平洋戦争: 血戦!! 連合艦隊』。「太平記システム」を用いて太平洋戦争を再現する、と聞くと驚くかもしれませんが、実際にプレイすると違和感はありません。

さて、そんな本作の制作秘話を……。

  • 原型はコマンドマガジンに「60シリーズ(駒60個、60分間でプレイできるゲーム)」として投稿された作品でした。しかし、当時の編集部は食指が動かなかったようです。それを偶然見つけたBANZAIマガジン編集長が、コマンドマガジン編集部了承の上、デザイナーに連絡を取り、商品化が実現しました。
  • 本作が付録となったBANZAIマガジン第12号は「瞬殺」という表現がふさわしいほど、すぐに売り切れました。
  • 再版の要望を多数いただきましたが、雑誌丸ごとの再生産は経費的に難しいこと、当時は現在のような「フォリオ」シリーズがなかったことから、なかなか再版できずにいました。また発売後、ゲーム・バランスの調整も必要に感じられ、ルールの追加にも時間が必要でした。
オリジナルのカウンター
  • ゲーム・バランスの問題のひとつは、編集サイドからのルール変更に起因しています。オリジナルには「昭和天皇」が入っており、国体護持のために山本五十六を本土に置く必要がありましたが、これを省略したために五十六が八面六臂の活躍をしてしまい、日本軍が有利になったのです。これとは別にインドが落ちやすいこと、落ちると連合軍が取り返せないことなども問題でした。
  • そこでフォリオ版では新ルールを追加していただき、全体のバランスを調整すると同時に、ゲーム展開に多様性をもたらしました。詳しくは公開されているルールブックをご覧ください。
オリジナルのマップ

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