201X: 中台もし戦わば

別冊&フォリオ金門島上陸作戦中国が来る: 人民解放軍三大上陸作戦

サイバー戦が頼みの綱

IDFは、同じ時期に開発されたと思われる『The Revelation War(以下、TRW)』(Canvas Temple Publishing)とよく似たゲーム・システムを用いている。

毎ターン、中国軍の航空優勢を決めた後、中国軍プレイヤー・ターンと台湾軍プレイヤー・ターンを行い、最後にサイバー戦フェイズを行う。各プレイヤー・ターンでは移動フェイズと戦闘フェイズを任意の順番で1回ずつ行える。

原則として航空優勢は中国軍のものだ。航空優勢フェイズにダイスを1個振り、出た目と同数の空軍力マーカーをマップ上に配置する。マーカーが置かれたエリアとその隣接ヘクスは影響範囲となり、台湾軍ユニットの移動を妨害し、地上戦で中国軍に有利な修整を与える。また中国軍が航空優勢を得ている間は空中機動と空挺降下を行える。

サイバー戦フェイズでは両軍プレイヤーはダイスを3個ずつ振って出た目の合計を比較し、より多いプレイヤーが差分のポイント(CWP)を得る。用途には以下の種類がある。

  • 敵軍OODAループの混乱: OODAループとは、先の読めない状況で成果を出すための意思決定方法のことで、CWPが置かれたユニットは1移動力低下し、攻撃を受けると不利な修整がつく。
  • 自軍OODAループの強化: CWPを消費することで、敵軍移動フェイズ中に自軍ユニット1個を移動させる、または敵軍戦闘フェイズ中に自軍ユニット1個で割り込み攻撃を行える。
  • 航空優勢の混乱: 台湾軍プレイヤーは1 CWPを用いることでマップ上に配置された中国軍の空軍力マーカー1つを除去できる。この結果、マップ上に空軍力マーカーが存在しなくなると、中国軍は航空優勢を失い、台湾軍の空中機動部隊によるヘリボーンが可能になる。
  • サイバー攻撃: 6 CWPを用いることで、次のターン、敵軍がサイバー戦フェイズで使用するダイスの数を1個減じることができる。

このサイバー戦ルールはTRWでも使われており、少数精鋭のイスラエル軍は3個、アラブ連合は2個のダイスを振れる。イスラエル軍は毎ターン、だいたいダイス1個分のCWPを使えることになるので、自軍OODAループを強化して機動防御を行い、敵軍が攻撃する前に一部の敵軍部隊に先制攻撃を加えて攻撃計画を狂わせることができる。

だが、台湾ではそういうわけにはいかない。どちらもダイスを3個振るので台湾軍がCWPを得られるかは五分五分。中国軍の航空優勢を無効にするためには平均で3.5差をつけなければならないので、なかなか厳しい。

ハイテクで勝負できないなら通常兵力で戦うことになるが、物量差は言わずもがなである。


画像: マップは台湾全土をカバー。上陸できる場所は限られており、西側の中央から南にかけてが狙い目となるだろう。

>> 201X年、高雄


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