『300: ギリシア・ペルシア戦争』のページを更新しました。コンポーネントのデザインを確認したり、ルールブックをダウンロードしていただくことが可能です。
古代戦のゲーム・デザインは初めてであり、しかも従来の厚紙製カウンターではなく、木製キューブを駒にしたのも初めてでしたがどうにか形になりました。ベテランの方から初心者の方まで、経験値の異なる様々な方にテストプレイしていただいたおかげで、いろんなバランスが取れたゲームになったのではないかと思っております。
ギリシア・ペルシア戦争は映画『300』の題材になったテルモピュライの戦いと、その続編で扱われたサラミスの海戦が劇的であり、物語性に富んだ戦いであるとも言えます。一方でそれに引きずられると対戦ゲームとして成立させるのが難しい。それらの圧勝が必然でないと、ギリシアが大帝国ペルシアに勝利することができないからです。
ギリシアがペルシアに勝利した合理的な理由が見つけられないかと調べ、海軍力の差とペルシア軍の兵站線の長さに着目しました。前者はテミストクレスのリーダーシップの産物と言えなくもありませんが、自前の海軍と雇われのフェニキア海軍との戦意の差は歴然です。サラミスの海戦後に顕著ですが、ギリシアは海軍という機動力を生かしてペルシア側の要地を襲いました。制海権がなければ、いかに大兵力を抱えようとも兵站線に脆い部分が生じます。そこがペルシア軍のアキレス腱となるわけです。
もちろん当時の軍隊ですから、後方から物資を輸送するよりは現地調達を主としていました。しかし後方との連絡線を遮断されることで、士気が低下したり、兵士の補充ができなくなるため、ゲームではペルシアの大軍があっさり瓦解することがあります。
ということで海軍国ギリシア vs 陸軍国ペルシア、海を使った内線で戦うギリシア vs 脆弱な地上の外線で戦うペルシア、という構図を描くことにしました。戦術的な能力差は戦闘システムに落とし込みました(シンプルですが、映画『300』的なスペクタクルも再現できる? ものです)。
もう一つ、ギリシアとペルシアの大きな違いは政治制度ですが、これはカード・イベント「王の急死」で表されています。「誰かが何とかしてくれる(かもしれない)」民主的なギリシアと異なり、ペルシアは専制支配です。ダレイオスI世のように急死したり、クセルクセスI世のように暗殺されたりすると、たちまち大混乱となり、ギリシアへの遠征どころではなくなるのです。
さて、次回作は来年のゲームマーケット大阪で発表予定、テーマは第二次世界大戦です。その次は『300』の続き、ペロポネソス戦争を計画しております。
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