BANZAIマガジン第26号『日ソ戦争: 8月の嵐作戦』、ご予約開始しております。コマンドマガジン第142号の付録ゲーム『嵐の8月: 満州1945』がベースですが、デザイナーであるハビエル・ロメロ氏が手を加え、テイストの異なる作品に仕上がっています。

『嵐』は最長で1945年9月5日まで(9ターン)戦います。『日ソ』でもポツダム宣言の受諾が遅れ、停戦が最大限遅れると9ターンまで進む可能性がありますが、最短4ターン、概ね6ターンで日ソ双方が停戦し、ゲームは終了します。その時点でソ連軍が一定の勝利ポイントを獲得していれば(概ね史実の侵攻スケジュールを達成していれば)ソ連軍が勝利します。
加えて『日ソ』ではソ連軍の勝利条件に、スターリンが8月23日に命じた「日本人50万人のソ連への移送」を反映して「日本人狩り」が追加されています。これは民間人は対象ではなく(都市支配による勝利ポイントに含まれるため)停戦時に孤立している日本軍ユニット、及び接敵している日本軍ユニットは武装解除され、「抑留」されます。抑留されたユニットのステップ数がソ連軍の勝利ポイントに加算されます。20世紀の戦いを扱ったウォーゲームでは極めて異例な勝利ポイント設定と思われますが、ソ連/ロシアの特殊性であり、日ソ戦争の歪な面として含めるべきと判断しました。
このソ連/ロシアの特殊性について、DEEP DIVE Castで語られていました。
「あの国は真っ当な対価を払ってインフラ建設をしたという経験があんまりないんですよ。常に大量の政治犯とか囚人を使って、苛酷な環境でしかも人件費タダで、インフラ建設をやっちゃうってことを繰り返してきたわけです(……)シベリア抑留です。一種の貢ぎ物として日本軍の将兵を引き渡してもらって、働かせたってことなわけです」
80年前の今日、ソ連はアメリカ・イギリスとのヤルタ密約に基づいて日ソ中立条約を破棄、対日宣戦布告を行い、翌日満州への侵攻を開始しました。日本人にとってさまざまな次元で複雑な感情を喚起する戦いですが、アナログのウォーゲームを通じて、何か新たな知見を得ていただければと思います。
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