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『ナポレオン戦争ソリティア』はやや難易度が高いゲームです。21氏がこちらの日記を書かれている時点で2勝8敗。今シーズンのヤクルトよりも低い勝率ですが、私もだいたいそのくらい。理由はいろいろありますが、ソリティア・ゲームにつきものの偶然の要素(対戦ゲームなら相手が決断する必然の要素)に左右されるところ大だから。特に対仏同盟軍が兵力展開した後で移動するナポレオンに翻弄される。しかし、それこそ戦略の天才がゲームで再現されているということになるのではないでしょうか。

実は本作に関して、「プレイヤーが対仏同盟ではなくフランスでプレイできたらもっと売れたのではないか」と言われたことがあります。それへの回答はデザイナーズ・ノートに書かれているとおりかと思いますが、プレイヤーがフランスを受け持つ、つまりナポレオンになった時の一番の問題は、「誰がロシアに侵攻すんねん」でしょう。

勝利条件がロシアを含む全ヨーロッパの支配であれば無理ゲーだし、ロシアに侵攻しなくて済むなら大陸封鎖を続けて対仏同盟を切り崩していくだけでいい。ならば厄介な「コルシカの悪魔」を封じ込める立場でゲームをプレイするほうが、やり甲斐もあるというものです。

とは言え、本作でも鍵になるのがナポレオンのロシア侵攻です。このイベントを起こすためには「ロシアの戦争」につながる小戦争を4回起こす必要があり、その小戦争のトリガーになるイベントがあり、と一筋縄ではいきません。もちろんその流れを理解して、効率良い歴史の流れをつくれば良いのですが、別のイベントや事件、そして戦闘が間接的に影響します。例えば同時期にプレイされていたMどりっひ氏は海軍が海賊退治に忙殺されていました。イギリス海軍が健在なら、沿岸部で行われる小戦争にダイス目+2の修整がつきます。これは2ポンドの経済効果に値するわけですが、これが原因で小戦争に敗れることになると、

  • 降伏したプロイセン、オーストリアを参戦させるコストが上がる。
  • それを避けるための魅力外交にコストがかかる。

と厄介なことになります。今回のプレイではイギリス海軍が大活躍、序盤の小戦争の勝利に大いに貢献し、海戦は全勝(勝てば皇帝退位レベルが上がる)、以後、海戦が停止するトラファルガー海戦もなかなか起きないという幸運にも恵まれました。つまり、かなり良い状況でロシア侵攻を迎えることができたのです。

さて、第一次対仏同盟が崩壊した後、勢いづいたナポレオンはロシアへ侵攻。第二次対仏同盟の結成です。この戦争に負けるわけにはいかないので、突っ込めるものは全部突っ込んで勝利します。この結果、フランス軍は2d6個のユニットを失いますがダイス目は5。皇帝退位レベルを下げることで振り直しをして、結果は10。上はロシアの大地に斃れた方々です。

※ここでルール適用ミスが発覚。ベルナドットをスウェーデン軍ユニットと交換するのを忘れています。皆さんは横着せず小戦争解決時もチャートを参照してください。

その後、イベント「百日天下」でナポレオンはエルバ島に流されます。

ナポレオンを見限った方々。ダヴー、お前まで。

1812年が終わった時点でフランス軍ユニットの残りは4個。皇帝退位レベルは13。あと3ターンあれば確実にナポレオンをセント・ヘレナ島に流せるので、ここでお開きとしました。いやあ、久しぶりの勝利だ。

16ターンの長丁場ですが、マップはA3判なので、置きっぱなしにしてもそんなに場所を取りません。以前に書いたとおり、心が折れそうになるような辛いこともありますが、その後に救われることも待っています(さらにその後に訪れる不幸は気にしない)。気が乗ったら何ターンかゲームを進めて、そんな気分でない時は『ナポレオン〜覇道進撃〜(リンク先は非公式Twitterアカウント)』(でなくてもいいですが)を読んで気分を高める。ゲームの経験が本を理解する助けになるでしょう。本で得た知識をゲームに活かせることもあります。

『ナポレオン戦争ソリティア』はそんな贅沢を味わえるゲームなのです。


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