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コラム・シフトかダイス目修整か

地形などが戦闘に与える影響として一般的なのは、

  • 攻撃側または防御側ユニットの戦闘力を増減する。
  • 戦闘結果表(CRT)で使用するコラムをシフトする。
  • CRTで使用するダイス目を修整する。

だろう。この1種類だけを用いるのがシンプルだが、もう1種類を組み合わせることでアクセントを加えることができる。『バルジ大作戦』ではこの方法を用いた。

CRTは戦闘力差タイプで、荒地にいる防御側は戦闘力に+1、丘陵なら+2する。森林はヘクスサイド地形であり、森林越しに攻撃する攻撃側は戦闘力からそれぞれ1を引く(ただし、最低でも1は有する)。

この他にアドオン地形として町が存在し、町を攻撃する時はダイス目に+1の修整がつく。他の地形同様に戦闘力修整でも良さそうなものだが、ダイス目修整にすることで町の効果を際立たせることができる。町を攻撃する時はダイス目「1」の結果(攻撃側にとってベストの結果)が絶対に出ないことになる。もちろんダイス目「7」の結果は町を攻撃しない限り生じないので、「1」の代わりとなる特別な結果を盛り込むことができる。

例えばサン・ヴィトを6戦闘力で攻撃する。防御側の戦闘力は2+1(荒地)だ。町の効果を戦闘力+1とすると(ちなみに初期のバージョンはそうだった)、戦闘力差は+2となる。製品版は戦闘力差+3でダイス目+1。大して差はないように見えるが大きな違いがある。

戦闘力差+2は防御側ユニットが除去される可能性は1/3なのに対し、+3のダイス目修整(DRM)+1は1/6しかない。ダイス目7の結果「Ex/DR」は防御側が相互損害か退却かを選べるので、序盤は後者を選ぶだろう。あるいはドイツ軍の打撃力を早期に削ぐために、Exを選ぶかもしれない。その判断が後に与える影響は、両軍が最初に想定している作戦に影響する。

もちろんこの修整は連合軍が町を攻撃する時にも適用されるので、大きな戦闘力差を得にくい連合軍にとって辛いかもしれない。2カ所からの攻撃なら4戦闘力、1戦闘力のドイツ軍ユニットが守る荒地の町なら戦闘力差+2。これだとD Elimの可能性がなくなり、1/3の確率で連合軍はユニットを失ってしまう。それまでの展開次第だが、あまりユニットを失っているとこの1個の損失が大きく響き、それ以上の反撃が不可能になることもある。ならば序盤の「Ex/DR」は退却を選んで戦力を温存すべきか……と、プレイするほど考えることが多くなるのだ。

最近はCRTを使わないゲームをデザインしてきたが、少しの工夫で多くのことを表現できるCRTは、やはり便利だ。


 

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