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『奉天会戦』ルール

1.0 はじめに

このゲームは1905年2月21日から3月10日にかけて行われた日露戦争最後の会戦「奉天会戦」をテーマにした2人用ゲームです。1人が日本軍、もう1人がロシア軍を担当します。


2.0 ゲームの備品
2.1 駒

左の駒を白の実線で切り出して10個の駒を作ります。点線は山折り、破線は谷折りです。底面を糊付けして、横から見たら逆T字になるようにします。大きな数字はその駒の戦闘力です。

2.2 地図

下の地図を使います。6角形のマス目を「ヘクス」と呼びます。時間経過トラックにマーカー(他のゲームで使わない駒など)を置きます。

2.3 ダイス

6面体ダイスを1個以上用意してください。


3.0 ゲームの準備

お互い戦闘力を相手に見られないよう、マップ上、自軍の旗が印刷されたヘクスに駒を置きます。日本軍は全部で5駒に対して配置できるヘクスは3つしかありません。ヘクスに配置しない2駒は増援登場エリア1に置きます(6.0参照)。これらの駒を「増援」と呼びます。

マーカーを「ゲーム開始」のマスに置きます。


4.0 勝利条件
  • 敵の駒を全滅させると直ちに勝利します。
  • 敵の補給源ヘクスに自分の駒を進入させると直ちに勝利します。
  • ゲーム終了時(5.0参照)に奉天に駒を置いているプレイヤーが勝利します。両軍とも置いていない時はロシア軍の勝利です(史実の結果)。

5.0 ターンの手順

日本軍、ロシア軍の順番で自分の「ターン」を行います。自分のターンに以下のことを順番に行います。何もせずに「パス」も可能です。

  1. 自分の駒を1個選びます(「活性化させる」と言います)。
  2. 活性化した駒を移動させます。しなくても構いません。
  3. 活性化した駒で隣接する敵の駒を攻撃します。しなくても構いません。

戦闘解決時、両プレイヤーが振ったダイスの目に「6」の目が1つでもあったら、マーカーを1つ右に進めます。両者の目が「6」の時もマーカーは1マス進むだけです。マーカーが「ゲーム終了」へ移動したらゲームは終了します。


6.0 日本軍の増援

日本軍は自分の番に地図上の駒ではなく増援1個を活性化できます。活性化すると今いる登場エリアの矢印が印刷しているヘクスへ移動させます。

他の駒が置かれているヘクスには進入できません。以後は地図上の駒と同様に扱います。敵駒に隣接するヘクスに登場したら、攻撃を行えます。

活性化させた増援を地図内に進入させる代わりに隣の登場エリアへ移動させることができます(登場エリア1から2へ。2から3へ)。その時は移動させるだけで手番は終わります。また登場エリアを移動させた時は、マーカーを1マス右に動かさなければなりません。


7.0 支配地域(ZOC)

全ての駒は隣接する6ヘクスに支配地域(Zone of Control、略してZOC)を持ちます。ただし、塹壕越しに要塞(灰色のヘクス)にZOCは及びません。塹壕越しでなければ要塞にZOCは及びます。ZOCは移動と戦闘に影響します。


8.0 移動

プレイヤーは活性化した自分の駒を動かせます。最大2ヘクス移動できます。ただし、

  • 山に入ると停止します。
  • 河川を越えると停止します。
  • 鉄道線沿いなら河川を越えてもそのまま移動できます。
  • 地図外へは移動できません。
  • 他の駒がいるヘクスには進入・通過できません。
  • 敵ZOCに進入すると停止しなければなりません。
  • 移動開始時に敵ZOCにいる駒はそこから離れて移動できますが、敵ZOCに直接移動することはできません。

9.0 攻撃

プレイヤーは活性化した自分の駒で隣接する敵駒を攻撃できます。複数の敵駒に隣接している時は、そのうち1つを選んで攻撃します。攻撃は以下の手順で解決します。

  1. 両軍の駒の戦闘力を明らかにします。敵駒の戦闘力を知ることができるのは、攻撃を解決する時だけです。
  2. 両プレイヤーはダイスを1個ずつ振ります。以下のいずれかの場合、攻撃を受けたプレイヤーのダイスの目に1を加えます。条件が重なっても修整されるのは+1だけです。
    • 攻撃を受けるユニットが山にいる。
    • 河川越しに攻撃が行われる。
  3. 出た目に戦闘力を加算して両者の値を比較します。
    • 激戦: 何も起こりません。
    • 多い(ただし2倍未満): 値が多いほうが勝者です。敗者は1ヘクス退却します。退却できるヘクスが複数ある時は、勝者が退却方向を決めます。敵駒のZOC、他の駒がいるヘクスには入れません。退却できない駒は壊滅して除去されます。勝者は敗者がいたヘクスに前進できます。
    • 2倍以上: 敗者の駒は壊滅して除去されます。勝者は敗者がいたヘクスに前進できます。
9.1 攻撃支援

攻撃目標に他の自軍駒が隣接していれば、実際の戦闘力に関係なく、1駒につき1戦闘力を加算します。防御側にはこのような支援はありません。なお、攻撃する駒が河川越しまたは塹壕越しに攻撃するのであれば、支援する駒が河川越しでなくても、または塹壕越しでなくても、それぞれ河川越し、塹壕越し(9.2)の影響を受けます。支援した駒は戦闘結果の影響を受けませんし、戦闘力を明らかにする必要はありません。

9.2 塹壕

奉天の全周、ならびにトーチカのアイコンがついたライン越しの要塞攻撃では、攻撃側が勝者の時、結果「多い(ただし2倍未満)」は何も起こりません。「2倍以上」なら敗者である防御側は1ヘクス退却し、攻撃側はそのヘクスへ前進できます。要塞から塹壕越しに攻撃する時も、要塞にいる駒にはこのボーナスがつきます。ただし、要塞と塹壕の効果を得られるのはロシア軍だけです。

9.3 退却した駒

攻撃を受けて退却または再編成(9.4)した駒は、直後の自分の手番で活性化できません。

9.4 部隊の再編成

プレイヤーは自分の手番開始時に戦闘で壊滅した自分の駒があれば、何もしない代わりにその駒を自分の補給源に復活させることができます。自分の補給源に他の駒がいる時にはこの「再編成」は行えません。再編成された駒はその手番では移動、攻撃は行えません。直前の敵の手番で壊滅させられた駒を、次の自分の手番で再編成することはできません。

9.5 戦闘前退却

両軍の戦闘力が明らかになった後、ダイスを振る前に「戦闘前退却」を宣言できます。攻撃側、防御側の順番で退却するかどうかを決めます。退却するのであれば「多い(ただし2倍未満)」の結果を適用します。相手は前進できます。戦闘前退却の時は退却方向を退却する側のプレイヤーが決めます。これは駒が除去される可能性が高い、または(日本軍の場合)マーカーを進めたくない時に有効な戦術です。